ヒット商品の鍵はUXとジャーニーマップ

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毎日の通勤、電車内を見渡すと、何人かに一人は必ずiPhoneユーザですね。ここ5年で最大のヒット商品の一つ、それがiPhoneであることは間違いないでしょう。

さて、そんなiPhoneですが、なぜヒットしたのでしょう?その鍵のひとつが、UX(ユーエックス:User Experience=ユーザ体験)と言われています。iPhoneは、いいUXだから、つまり使っていて気持ちがいいからこそ、あそこまでの大ヒット商品になったと言われています。

今回は、そんなUXについてのコラムです。馴染みのない方も多いと思いますので、UX入門ということで、UXはどんなものであり、いいUXは形にするにはどういった方法があるかを、お伝えしたいと思います。

UXって何?

UXは直訳では「ユーザ体験」という意味ですが、簡単に言うと「使う際の心地よさ」のことです。

つまり、いいUXの商品やサービスは使いやすく、使っていて心地がいいので、また使いたくなります。逆に、悪いUXのものは使いづらく、ストレスが溜まってしまうので、次回は別のものに替えたくなります。

少々大げさな言い方ですが、現代はものが溢(あふ)れている時代です。いくらでも代わりの商品や似たサービスが登場しています。だからこそ、同じ価格帯の中でいかにUXを底上げできるか、UXを通じて他社と差別化できるか、こうしたUXベースの考え方こそが、これからのヒット商品や人気サービスを生み出すための鍵だと言えるでしょう。

UXに気づく方法

では実際によいUXを実現させるためには、どういった方法があるのでしょうか。

冒頭のiPhoneの例に限らず、日常の商品やサービスは全てUX(使い心地)から良し悪しを説明できます。「よいUX」のヒントは実はいたるところにあると言えます。

しかし一方で、日常にあふれているからこそ、「よいUX」は中々見えてこない、なかなか気づくことができないとも言えます。

つまり、こうした普段は「見えないUX」をまずどのように「見える化」するかが大切、ということです。その方法の一つが「ジャーニーマップ」と呼ばれる、サービスフローの見取り図です。

ジャーニーマップについて

ジャーニーマップとはどのようなものか、まずは百聞は一見に如かず、ということで以下の画像をご覧下さい。

http://theoperationsblog.com/wp-content/uploads/2011/09/experiencemap1.pdf

これは世界的に有名なコーヒーショップチェーン店「スターバックス」のUXを一枚にまとめたものです。

サービスフローにもとづいて、ステップごとに細かく「ユーザ(訪問したお客さま)の気持ち」が整理されています。一つのサービス(コーヒーを買って店を出る)について、まるで旅行記録のように描いたフローなので、ジャーニーマップと呼ばれています。

何をどうジャーニーマップに書くべきか

特にこのジャーニーマップ作成で重要なのが、想定ユーザの方を事細かく設定して絞ることです。

実際、先ほどの図は、オフィスで打合せを終えたビジネスマンが、近所のスターバックスで報告書のレポートにとりかかろうと思いスターバックスへ来店する、という物語を一枚にまとめたものです。

下半分では、スターバックスに行くことを思い立ち、店を出るまでのユーザ体験(気持ちの変化や気付き)が細かく1ステップ1ステップ細かく挙げられています。列に並んで注文したり、コーヒーを楽しむ時に、その人がどんな気持ちになるだろうか、が記されているわけです。

同図では、もう一方の上半分では、ユーザ「満足度」に影響しそうなサービスのクオリティが記されています。

さらに上半分は、ベース・ライン(破線)を設け、他店と差別化できそうな「付加価値」となりそうなものとそうでないものが描かれています。

「付加価値」は、例えば店内のいい香り、丁寧な接客、すわり心地のよいソファ、適度な温度の飲み物、無料Wifi などが、もう一方の破線より下では、「気持ちを損ねてしまいかねない、こうあってはならないこと」として接客時の「ウソっぽいスマイル」、「工場の流れ作業のような接し方」、「仕事に差し支えるくらい狭いテーブル」などが挙げられています。

このようにジャーニーマップの作成は、一枚の紙面の中で、サービスを通じてユーザが体験しそうなことを、良い悪い含め時系列で全て書き出す作業です。

そして、まず自社商品やサービスを徹底的に「見える」化させることで、また競合と比較することでUXを客観的に見つめなおすことができ、自社サービスの強みと欠点を考えるきっかけにすることができます。

また、以下のサイトでは、こうしたスターバックス以外のマップも掲載されています。是非以下のサイトを参考にして作成してみてくださいね!
http://www.coprosystem.co.jp/marketingblog/2012/01/26.html

まとめ

以上、駆け足でしたが、ヒット商品や人気サービスを生み出す上で、今後UXと言う考え方は不可欠になることをお伝えしました。いいUXのアイデアの種は日常生活にもたくさん隠されています。またジャーニーマップを使う事で「見える化」すると具体的に流れが理解できる事をご紹介しました。

弊社も近年のこうしたトレンドを踏まえ、HPのUX強化のご相談も承っています。HPを訪れたユーザの方が、どのようにサイトを見たり、感じているのか、サイト解析などを通じて具体的にご提案しております。

貴社のサイトでターゲットした人を効果的に呼び込みたいとお考えの方は是非、ご連絡頂ければと思います。